山陽小野田市立山口東京理科大学 工学部中期第3問

公立山口 工【中期】
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山口東京理科大学 工学部中期第3問の問題文全文

微分に関する設問に答えよ.

(1) 次の関数 \(f(x)\) の極小値を求めよ.

\begin{align}f(x)=-x^3+6x^2-9x+3\end{align}

(2) 実数 \(a,~b~(b\neq 0)\) に対して\(,\) 関数 \(y=e^{ax}\cos{bx}\) は\(,\) \(x\) に関する恒等式

\begin{align}\frac{d^2y}{dx^2}-2\frac{dy}{dx}+5y=0\end{align}

を満たす. このとき\(,\) \(a,~b\) の値をそれぞれ求めよ.

(3) \(t\) を媒介変数とする関数

\begin{align}\left\{\begin{array}{c}x=\cos{t}\\ y=\sin{t}\end{array}\right.\end{align}

について\(,\) 次の \(2\) つの数式を \(t\) を用いてそれぞれ表せ.

(a) \(\displaystyle \left(\frac{dy}{dx}\right)^2\)

(b) \(\displaystyle \frac{d^2y}{dx^2}\)

(1) の解答〜増減表をかいて求める〜

\begin{align}f^{\prime}(x)=-3x^2+12x-9\end{align}

\begin{align}=-3(x^2-4x+3)=-3(x-1)(x-3)\end{align}

よって\(,\) 増減表は以下のようになる.

\begin{align}\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|}\hline x & \cdots & 1 & \cdots & 3 & \cdots \\ \hline f^{\prime}(x) & – & 0 & + & 0 & – \\ \hline f(x) & \searrow & -1 & \nearrow & 3 & \searrow \\ \hline \end{array}\end{align}

増減表より\(,\)

\begin{align}x=2~のとき,~極小値~-1~~~~\cdots \fbox{答}\end{align}

(2) の解答〜 \(y\) や \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) に置き換えていく〜

\begin{align}\frac{dy}{dx}=ae^{ax}\cos{bx}-be^{ax}\sin{bx}\end{align}

\begin{align}=ay-be^{ax}\sin{bx}\end{align}

だから

\begin{align}be^{ax}\sin{bx}=ay-\frac{dy}{dx}\end{align}

さらに

\begin{align}\frac{d^2y}{dx^2}=a\frac{dy}{dx}-b(ae^{ax}\sin{bx}+be^{ax}\cos{bx})\end{align}

\begin{align}=a\frac{dy}{dx}-a\left(ay-\frac{dy}{dx}\right)-b^2y\end{align}

したがって

\begin{align}\frac{d^2y}{dx^2}-2a\frac{dy}{dx}+(a^2+b^2)y\end{align}

\begin{align}=a\frac{dy}{dx}-a\left(ay-\frac{dy}{dx}\right)-b^2y-2a\frac{dy}{dx}+(a^2+b^2)y=0\end{align}

quandle
quandle

ここが少し難しいかもしれません.

\(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) や \(y\) を打ち消すために係数がどうなればいいかという視点で考えましょう.

与方程式と係数が一致するので\(,\)

\begin{align}a=1,~a^2+b^2=5\end{align}

\begin{align}a=1,~b=\pm 2~~~~\cdots \fbox{答}\end{align}

上級者向け検算法〜微分方程式の一般解〜

一般に\(,\) 実数 \(a,~b\) に対して\(,\)

\begin{align}\frac{d^2y}{dx^2}+a\frac{dy}{dx}+by=0\end{align}

の一般解 \(y(x)\) は特性方程式 \({\alpha}^2+b\alpha +b=0\) の解によって\(,\)形が決まっています.

特性方程式の判別式を \(D\) とおくと\(,\)\(D<0\) でかつその解を \(\alpha =p\pm qi\) とすると

\begin{align}y(x)=e^{px}(C_1\cos{qx}+C_2\sin{qx})~(C_1,~C_2~は任意定数)\end{align}

の形になることが知られています.

今回の問題の場合\(,\) 特性方程式

\begin{align}{\alpha}^2-2\alpha +5=0\end{align}

の解が

\begin{align}\alpha=1\pm 2i\end{align}

なので\(,\) \(a=1,~b=\pm 2\) であることが確認できます.

なお\(,\) 今回問題で与えられている

\begin{align}y=e^{ax}\cos{bx}\end{align}

は \(C_1=1,~C_2=0\) のときの特殊解です.

(3)(a) の解答〜 \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) を2乗する〜

\begin{align}\frac{dx}{dt}=-\sin{t},~\frac{dy}{dt}=\cos{t}\end{align}

より\(,\)

\begin{align}\left(\frac{dy}{dx}\right)^2=\left(\cfrac{\cfrac{dy}{dt}}{\cfrac{dx}{dt}}\right)^2\end{align}

\begin{align}=\left(\frac{-\cos{t}}{\sin{t}}\right)^2=\frac{1}{\tan^2{t}}~~~~\cdots \fbox{答}\end{align}

(3)(b) の解答〜 \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) を \(x\) で微分する〜

\begin{align}\frac{d^2y}{dx^2}=\frac{d}{dx}\left(\frac{dy}{dx}\right)\end{align}

\begin{align}=\frac{d}{dt}\left(-\frac{1}{\tan{t}}\right)\cdot \frac{dx}{dt}=-\cfrac{-\cfrac{1}{\cos^2{t}}}{\tan^2{t}}\cdot \left(\frac{1}{-\sin{t}}\right)\end{align}

\begin{align}=-\frac{1}{\sin^3{t}}~~~~\cdots\fbox{答}\end{align}

補足:(3)の(a)(b)からわかること

(3) の (a)(b) の結果から一般には

\begin{align}\left(\frac{dy}{dx}\right)^2\neq \frac{d^2y}{dx^2}\end{align}

であることが分かります. 形は似ていますが別物なので注意しましょう!

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