東京理科大学経営学部(共通問題)2023年第2問

経営(必須問題)
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経営学部(共通問題)2023年第2問の問題文全文

\(a,~b,~c,~d\) を実数とし\(,\) \(f(x)=ax^3+bx^2+cz+d\) とおく. 関数 \(f(x)\) は \(x=-1\) と \(x=1\) で極値をとり\(,\) 曲線 \(y=f(x)\) は \(2\) 点 \(\displaystyle \left(0,~\frac{1}{2}\right),~\left(\frac{1}{2},~0\right)\) を通るとする. このとき\(,\) 次の問に答えよ.

(1) \(a,~b,~c,~d\) の値を求めよ.

(2) 関数 \(f(x)\) の極大値と極小値の差の絶対値を求めよ.

(3) \(2\) 点 \((-1,~f(-1)),~(1,~f(1))\) を通る直線の方程式を \(y=g(x)\) とする. \(g(x)\) を求め\(,\) 曲線 \(y=f(x)\) と直線 \(y=g(x)\) で囲まれた部分の面積 \(S\) を求めよ.

(1) の着眼点〜極値をもつ条件〜

未知数の数は \(a,~b,~c,~d\) の \(4\) つですので\(,\) 式を \(4\) 本立てる必要があります.

そのうちの \(2\) つは\(,\) \(2\) 点 \(\displaystyle \left(0,~\frac{1}{2}\right),~\left(\frac{1}{2},~0\right)\) を通ることから\(,\)

\begin{align}f(0)=\frac{1}{2},~f\left(\frac{1}{2}\right)=0\end{align}

です.

微分可能な関数 \(f(x)\) が \(x=\alpha \) で極値をもつための必要十分条件は以下の \(2\) 条件を同時に満たすことである.

① \(f^{\prime}(\alpha )=0\)

② \(x=\alpha \) の十分近くで \(f^{\prime}(x)\) の符号が変化する

残りの \(2\) つは \(x=-1,~1\) で極値をとることから\(,\) 上記の①より\(,\)

\begin{align}f^{\prime}(-1)=0,~f^{\prime}(1)=0\end{align}

です. これで \(4\) つ揃いました. これで \(a,~b,~c,~d\) が求められますね!

(1) の解答〜 \(a,~b,~c,~d\) が出ても油断しない〜

\(\displaystyle f(0)=\frac{1}{2}\) より\(,\)

\begin{align}d=\frac{1}{2}~~~~\cdots ①\end{align}

このとき\(,\)

\begin{align}f(x)=ax^3+bx^2+cx+\frac{1}{2}\end{align}

\(\displaystyle f\left(\frac{1}{2}\right)=0\) より\(,\)

\begin{align}\frac{1}{8}a+\frac{1}{4}b+\frac{1}{2}c+\frac{1}{2}=0~~~~\cdots ②\end{align}

\(f^{\prime}(x)=3ax^2+2bx+c\) であるから\(,\)

\(f^{\prime}(-1)=0\) より\(,\)

\begin{align}3a-2b+c=0~~~~\cdots ③\end{align}

\(f^{\prime}(1)=0\) より\(,\)

\begin{align}3a+2b+c=0~~~~\cdots ④\end{align}

①\(,\) ②\(,\) ③\(,\) ④を解いて\(,\)

\begin{align}a=\frac{4}{11},~b=0,~c=-\frac{12}{11},~d=\frac{1}{2}\end{align}

このとき\(,\)

\begin{align}f^{\prime}(x)=\frac{12}{11}x^2-\frac{12}{11}=\frac{12}{11}(x-1)(x+1)\end{align}

となるから\(,\) 増減表は以下のようになる.

\begin{align}\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|}\hline x & \cdots & -1 & \cdots & 1 & \cdots \\ \hline f^{\prime}(x) & + & 0 & – & 0 & + \\ \hline f(x) & \nearrow & \displaystyle \frac{27}{22} & \searrow & \displaystyle -\frac{5}{22} & \nearrow \\ \hline \end{array}\end{align}

増減表より\(,\) \(f(x)\) は \(x=-1\) のときに極大値\(,\) \(x=1\) のときに極小値を取っているため\(,\) 問題に適している. したがって\(,\)

\begin{align}a=\frac{4}{11},~b=0,~c=-\frac{12}{11},~d=\frac{1}{2}~~~~\cdots \fbox{答}\end{align}

quandle
quandle

\(f^{\prime}(x)\) が \(x=\pm 1\) の十分近くで符号が変わっていることを必ずチェックしましょう!

(2) の解答〜サービス問題〜

(1) より\(,\) 極大値は \(\displaystyle \frac{27}{22}\)\(,\) 極小値は \(\displaystyle -\frac{5}{22}\) であるから\(,\)

\begin{align}\left|\frac{27}{22}-\left(-\frac{5}{22}\right)\right|=\frac{32}{22}=\frac{16}{11}~~~~\cdots \fbox{答}\end{align}

(3) の解答〜曲線と直線の上下関係に注意〜

\(g(x)\) を求める〜 \(2\) 点の中点がちょうど \(y\) 切片であることに注目〜

\(y=g(x)\) は \(2\) 点 \(\displaystyle \left(-1,~\frac{27}{22}\right),~\left(1,~-\frac{5}{22}\right)\) を通る直線であり\(,\) \(2\) 点の中点 \(\displaystyle \left(0,~\frac{1}{2}\right)\) は \(y\) 切片になるから\(,\)

\begin{align}g(x)=\cfrac{-\cfrac{5}{22}-\cfrac{27}{22}}{1-(-1)}x+\frac{1}{2}\end{align}

\begin{align}\therefore g(x)=-\frac{8}{11}x+\frac{1}{2}~~~~\cdots{答}\end{align}

quandle
quandle

極大と極小の \(x\) 座標の絶対値が同じであることに注目すると\(,\) 中点の \(x\) 座標が \(0\) なので\(,\) \(y\) 切片の \(y\) 座標が即わかりますね. また\(,\) \(f(x)\) は \(3\) 次関数なので\(,\) この中点は \(3\) 次関数上の点でもあります.

\(S\) を求める〜対称性に注目して計算量を減らす〜

点 \(\displaystyle \left(0,~\frac{1}{2}\right)\) に関して\(,\) \(y=f(x)\) と \(y=g(x)\) は点対称になる. 上図より\(,\) 求める面積 \(S\) は

\begin{align}S=2\int_0^1\left\{-\frac{8}{11}x+\frac{1}{2}-\left(\frac{4}{11}x^3-\frac{12}{11}x+\frac{1}{2}\right)\right\}dx\end{align}

\begin{align}=2\int_0^1\left(-\frac{4}{11}x^3+\frac{4}{11}x\right)dx\end{align}

\begin{align}=2\biggl[-\frac{1}{11}x^4+\frac{2}{11}x^2\biggr]_0^1=\frac{2}{11}~~~~\cdots\fbox{答}\end{align}

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