経営学部(ビジエコのみ)2021年第3問

経営(ビジエコ学科のみ)
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2月2日に経営学部の受験をした方\(,\) お疲れ様でした. 今回は \(1\) 回目の数学のうちビジネスエコノミクス学科の選択問題を扱います.

微積分以外の問題についても手書きのメモではありますが\(,\) 解答速報をtwitterに公開していますのでよろしければご覧ください.

問題文全文

座標平面に曲線 \(C~:~y=x^k\) がある. ただし\(,\) \(k\) は \(2\) より大きい整数とする. \(C\) 上の点 \(\mathrm{P}\) の座標を \((t,~t^k)\) (ただし\(,\) \(t>0\))とし\(,\) \(\mathrm{P}\) における接線を \(\ell_t,\) \(\mathrm{P}\) を通り \(y\) 軸と平行な直線を \(\ell_n,\) \(\ell_t\) に関して \(\ell_n\) と対称な直線を \(\ell_r\) として以下の問いに答えなさい.

(1) 直線 \(\ell_r\) の方程式を \(t\) を用いて表しなさい.

(2) \(\ell_r\) が原点を通るような \(\mathrm{P}\) の \(x\) 座標を \(t_k\) とする. \(t_k\) を \(k\) を用いて表しなさい.

(3) \(\displaystyle \sum_{k=3}^{\infty}t_k^{2(k-1)}\) の値を求めなさい.

(1) の着眼点

\(\ell_n\) 上の任意の点を \((t,~u)\) とおいて\(,\) それを \(\ell_t\) に関して対称移動させた点を \((X,~Y)\) とおきます. \(\ell_r\) は \((X,~Y)\) の軌跡になるので \(X,~Y\) に関する式を立てるのが目標です.

出てくる文字が \(k,~t,~u,~X,~Y\) と非常に多いです.

① \(k\) は最初に与えられている定数なので残っていい文字です.

② 「\(t\) を用いて表せ」と指示されているので \(t\) も残ります.

③ 「\(X,~Y\) に関する式を立てる」のが目標なので\(,\) \(X,~Y\) も残します.

以上から消去すべきは \(u\) だけということになります. このことが分かっていないと大変な計算をやっていくうちに途中で迷子になってしまいます.

一文字だけ消去するのですから式が \(2\) 本あればいいということになります. すると対称移動の典型問題の解き方(中点が直線上+垂直に交わる) で式を立てれば \(2\) 本準備できそうです.

(1) の解答

\(y^{\prime}=kx^{k-1}\) より\(,\)

\begin{align}\ell_t~:~y=kt^{k-1}x+(1-k)t^k\end{align}

\(\ell_n\) 上の点 \(\mathrm{A}_u(t,~u)\) を \(\ell_t\) に関して対称に移動した点を \(\mathrm{B}_u(X,~Y)\) とおくと\(,\) 線分 \(\mathrm{A}_u\mathrm{B}_u\) の中点 \(\displaystyle \left(\frac{t+X}{2},~\frac{u+Y}{2}\right)\) が \(\ell_t\) 上にあることから\(,\)

\begin{align}\frac{u+Y}{2}=kt^{k-1}\cdot \frac{t+X}{2}+(1-k)t^k~~~~\cdots ①\end{align}

また\(,\) \(\ell_t\) の方向ベクトル \((1,~kt^{k-1})\) と \(\overrightarrow{\mathrm{A}_u\mathrm{B}_u}=(X-t,~Y-u)\) は直交するから\(,\)

\begin{align}(1,~kt^{k-1})\cdot (X-t,~Y-u)=0\end{align}

\begin{align}X-t+kt^{k-1}(Y-u)=0\end{align}

quandle
quandle

目標は \(u\) の文字を消去することですから\(,\) \(u=\) の形を目指して変形していきましょう.

\begin{align}kt^{k-1}u=X-t+kt^{k-1}Y\end{align}

\begin{align}u=\frac{X-t}{kt^{k-1}}+Y~~(\because k>2,~t>0)\end{align}

① に代入して\(,\)

\begin{align}\cfrac{\cfrac{X-t}{kt^{k-1}}+2Y}{2}=kt^{k-1}\cdot \frac{t+X}{2}+(1-k)t^k\end{align}

quandle
quandle

文字が多いですが求めたいのは直線です.

\(Y=\) ● \(X+\) ◯ の形になるように変形していきましょう.

\begin{align}\frac{X}{2kt^{k-1}}-\frac{1}{2kt^{k-2}}+Y=\frac{kt^{k-1}}{2}X-\frac{kt^k}{2}+t^k\end{align}

\begin{align}Y=\left(\frac{kt^{k-1}}{2}-\frac{1}{2kt^{k-1}}\right)X+\left(1-\frac{k}{2}\right)t^k+\frac{1}{2kt^{k-2}}\end{align}

\begin{align}Y=\frac{(kt^{k-1}+1)(kt^{k-1}-1)}{2kt^{k-1}}X+\left(1-\frac{k}{2}\right)t^k+\frac{1}{2kt^{k-2}}\end{align}

\begin{align}\ell_r~:~y=\frac{(kt^{k-1}+1)(kt^{k-1}-1)}{2kt^{k-1}}x+\left(1-\frac{k}{2}\right)t^k+\frac{1}{2kt^{k-2}}.\end{align}

geogebraによるデモンストレーション

(1) の直線 \(\ell_r\) は \(\ell_n\) 上の任意の点を \(\ell_t\) に関して対称移動させたときの点の軌跡として導出しました. その様子をgeogebraで作ってみました. 左下の再生ボタンを押すことで \(\ell_r\) ができていく様子を見ることができます. (\(k=3\) の場合です.)

(2) の解答

\(\ell_r\) が原点を通るので\(,\) (1) で求めた \(\ell_r\) の式に \(x=y=0\) を代入して\(,\)

\begin{align}\left(\frac{k}{2}-1\right)t^k=\frac{1}{2kt^{k-2}}\end{align}

\begin{align}2k\left(\frac{k}{2}-1\right)t^{2k-2}=1\end{align}

\begin{align}t^{2k-2}=\cfrac{1}{2k\left(\cfrac{k}{2}-1\right)}=\frac{1}{k(k-2)}~~(\because k>2)\end{align}

\begin{align}t_k=\left\{\frac{1}{k(k-2)}\right\}^{\frac{1}{2k-2}}.\end{align}

(3) の解答

\begin{align}\sum_{k=3}^{\infty}t_k^{2(k-1)}=\sum_{k=3}^{\infty}\frac{1}{k(k-2)}\end{align}

\begin{align}=\frac{1}{2}\lim_{n\to \infty}\sum_{k=3}^n\left(\frac{1}{k-2}-\frac{1}{k}\right)\end{align}

\begin{align}\lim_{n\to \infty}\frac{1}{2}\left(1+\frac{1}{2}-\frac{1}{n-1}-\frac{1}{n}\right)=\frac{3}{4}.\end{align}

quandle
quandle

一般に

\begin{align}\sum_{k=1}^n\{f(k)-f(k+2)\}=f(1)+f(2)-f(n+1)-f(n+2)\end{align}

が成り立ちます. 「\(k\) の差が \(2\) のときは最初の \(2\) 個と最後の \(2\) 個が残ります.

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