理学部(共通問題)第2問の問題文全文
実数 \(a\) に対して\(,\) \(f(x,~y)=x^3+y^3-a\) とおき\(,\) \(g(x,~y)=x^2+y^2-1\) とおく. 以下の問いに答えよ.
(1) 実数 \(x,~y\) が \(g(x,~y)=0\) を満たすとき\(,\) \(x+y\) のとり得る値の範囲を求めよ. また\(,\) \(g(x,~y)=0\) を満たす正の実数 \(x,~y\) に対する \(x+y\) のとり得る値の範囲も求めよ.
(2) \(t=x+y,~u=xy\) とするとき\(,\) \(x^3+y^3\) を \(t\) と \(u\) の多項式として表わせ. さらに\(,\) \(x,~y\) が \(g(x,~y)=0\) を満たすとき\(,\) \(x^3+y^3\) を \(t\) のみの多項式として表わせ.
(3) \(f(x,~y)=0\) と \(g(x,~y)=0\) を共に満たすような実数 \(x,~y\) が存在するような \(a\) の値の範囲を求めよ.
(4) \(f(x,~y)=0\) と \(g(x,~y)=0\) を共に満たすような正の実数 \(x,~y\) が存在するような \(a\) の値の範囲を求めよ.
(5) \(f(x,~y)=0\) と \(g(x,~y)=0\) を共に満たすような正の実数 \(x,~y\) がただ \(1\) 組だけ存在するような \(a\) の値を求めよ. また\(,\) そのときの \(x,~y\) の値も求めよ.
(1) の解答〜\(2\) つの解法〜
<推奨>解法①〜線形計画法による解答〜
とおくと\(,\)
となる. 実数 \(x,~y\) が \(x^2+y^2=1\) を満たすときの \(y\) 切片の最大値・最小値を求めればよい.
上図の赤い直線のとき \(y\) 切片が最大\(,\) 青い直線のとき \(y\) 切片が最小になる. これらの直線は円 \(x^2+y^2=1\) の接線であるから\(,\) \(x+y-k=0\) と原点との距離が \(1\) である.
よって\(,\) 求める範囲は\(,\)
正の実数 \(x,~y\) に制限すると上図のようになる. 緑の直線のとき \(y\) 切片が最小となる. よって\(,\) 求める範囲は
解法②〜解の配置問題に帰着〜
とおくと\(,\)
であるから\(,\) \(x^2+y^2-1=0\) に代入すると\(,\)
となる. この \(2\) 次方程式が実数解をもてばよい. 判別式を \(D\) とおくと\(,\) \(D\geqq 0\) より\(,\)
正の実数 \(x,~y\) に制限したときは\(,\) 上記の \(2\) 次方程式が正の実数解をもてばよい.
とおく.
①より\(,\)
②より\(,\)
③より\(,\)
以上より\(,\)
解の配置問題では\(,\) 軸の位置\(,\) 判別式の符号\(,\) 定義域の境界での符号の \(3\) つを調べるのがセオリーです.
(2) の解答〜対称式の変形〜
(3) の解答〜定数分離〜
(1)\(,\) (2) より\(,\)
が \(\sqrt{2}\leqq t \leqq \sqrt{2}\) において\(,\) 実数解をもつような \(a\) の値の範囲を求めればよい.
とおく.
より\(,\) 増減表は以下のようになる.
\(y=G(t)\) のグラフは上図のようになり\(,\) これが直線 \(y=a\) と共有点をもてばよいので\(,\)
(4) の解答〜(3) から即答できる〜
(1)\(,\) (2)\(,\) (3) より\(,\) \(y=G(t)\) のグラフと直線 \(y=a\) が \(1<t\leqq \sqrt{2}\) において\(,\) 共有点をもてばよいので\(,\) (3) のグラフより直ちに
とわかる.
(5) の解答〜流れを理解すれば即答できる〜
(1) の図より \(g(x,~y)=0\) を満たす 正の実数 \(x,~y\) は \(,\) \(1<t<\sqrt{2}\) のとき\(,\) \(2\) 組あり\(,\) \(t=\sqrt{2}\) のとき\(,\) \(1\) 組だけ存在する.
(4) より\(,\) \(f(x,~y)=0\) と \(g(x,~y)=0\) を同時に満たす正の実数 \(x,~y\) は \(1<t\leqq \sqrt{2}\) において\(,\) \(\displaystyle \frac{\sqrt{2}}{2}\leqq a<1\) のときに限り\(,\) ただ \(1\) 組存在する.
まとめると\(,\) \(f(x,~y)=0\) と \(g(x,~y)=0\) を満たす正の実数 \(x,~y\) は \(t=\sqrt{2}\)\(,\) つまり \(\displaystyle a=\frac{\sqrt{2}}{2}\) のとき\(,\) ただ \(1\) 組存在する.
(1) の図より\(,\) \(y=x\) と \(y=-x+\sqrt{2}\) を同時に満たす正の実数 \(x,~y\) を求めると\(,\)
以上より\(,\)
(1) を解法②で解いている場合は\(,\) \(D=0\) のときを考えれば同様の解答になります.
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