定積分の基本計算が3問出題されました. 入試基礎レベルが一通り終わった受験生であれば十分に解答可能だと思います.
問題文全文
以下の定積分の値を求めなさい. ただし, \(e\) は自然対数の底で, \(\log x\) は \(x\) の自然対数を表す.
(1) \(\displaystyle \int_1^e\frac{1+\log x}{2x}dx=\frac{\fbox{$\hskip0.8emア\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}}{\fbox{$\hskip0.8emイ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}}\)
(2) \(\displaystyle \int_1^3\log \left(1+\frac{1}{x}\right)dx=\fbox{$\hskip0.8emウ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}\log \frac{\fbox{$\hskip0.8emエ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}}{\fbox{$\hskip0.8emオ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}}\)
(3) \(\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{4}}\sin^5xdx=\frac{\fbox{$\hskip0.8emカ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}}{\fbox{$\hskip0.8emキク\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}}-\frac{\fbox{$\hskip0.8emケコ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}}{\fbox{$\hskip0.8emサシス\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}}\sqrt{\fbox{$\hskip0.8emセ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}}\)
(1)の着眼点
① 下の式を暗算で求めることはできますか?
もしできないのであれば入試基礎レベルの演習が不十分だと思います. (1) はこれの類題です.
② 分子の \(1+\log x\) の微分が \(\displaystyle \frac{1}{x}\) になることに気づけば fgg’ の形になっています. あとは暗算でいけますね.
(1) の解答
(2) の着眼点
① 基本的に \(\log\) が絡む不定積分は部分積分を考えることが多いです. 別解では部分積分での解答を示したいと思います.
② 今回は \(\displaystyle \log \left(1+\frac{1}{x}\right)=\log \frac{x+1}{x}=\log (x+1)-\log x\) と見れば簡単に計算できそうです.
③ \(\displaystyle \int \log xdx=x\log x-x+C\) は結果を暗記しておきましょう. よく使います.
(2) の解答
2 つ目の=について, \(\displaystyle \int \log xdx=x\log x-x+C\) なのだから, \(\displaystyle \int \log (x+1)dx=(x+1)\log (x+1)-(x+1)+C\) では?と思う人もいるかもしれません. 積分定数 \(C\) は任意定数ですから, \(-1+C\) をあらためて積分定数 \(C\) と置き直すことができます.
として計算して問題ありません.
(2) の別解(部分積分で)
(3) の着眼点
ウォリスの公式が使えるかもと期待しましたが, 残念ながら積分区間が違います. 素直に計算していきましょう.
(3) の解答
\(\sin x\) や \(\cos x\) の奇数乗の積分は 1 つ目の=のように 1 個 だけ分けることで fgg’ の形にできます. fgg’ の形はいちいち置換積分せずにダイレクトに計算したいものです.
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