東京理科大学経営学部(経営学科選択問題)2020年第3問

経営(経営学科のみ)
スポンサーリンク

経営学部(経営学科選択問題)2020年第3問の問題文全文

座標平面上で, 放物線 \(C_1~:~y=-p(x-1)^2+q\) と放物線 \(C_2~:~y=2x^2\) が点 \((t,~2t^2)\) において同一の直線に接している. ただし, \(p,~q\) は正の実数とし, \(t\) は \(0<t<1\) の範囲にあるものとする. 次の問いに答えなさい.

(1) \(p,~q\) を \(t\) を用いて表しなさい.

(2) 放物線 \(C_1\) と \(x\) 軸で囲まれた部分の面積 \(S\) を \(t\) を用いて表しなさい.

(3) \(t\) が \(0<t<1\) の範囲を動くとき, (2) で求めた面積 \(S\) が最大となる \(t\) の値, および \(S\) の最大値を求めなさい.

(1) の解答〜共通接線の解き方〜

\begin{align}f(x)=-p(x-1)^2+q,~g(x)=2x^2\end{align}

とおくと,

\begin{align}f^{\prime}(x)=-2p(x-1),~g^{\prime}(x)=4x\end{align}

点 \((t,~t^2)\) において同一の直線に接しているので,

\begin{align}\left\{\begin{array}{l}-p(t-1)^2+q=2t^2 \\ -2p(t-1)=4t \\ \end{array}\right.\end{align}

これを解いて,

\begin{align}p=\frac{2t}{1-t},~~q=2t.\end{align}

(2) の着眼点〜\(\displaystyle \frac{1}{6}\) 公式の利用〜

放物線と直線に囲まれる部分の面積ですから\(\displaystyle \frac{1}{6}\)公式を使うと早いです. この際, 交点の \(x\) 座標を \(\alpha,~\beta\) とおくことで記述量を減らしましょう.

\(\displaystyle \frac{1}{6}\) 公式の詳細は以下にまとめていますので参考にしてください.

(2) の解答〜\(\alpha ,~\beta \) とおいて記述量を減らす〜

\begin{align}-p(x-1)^2+q=0\end{align}

のとき, \(p>0\) より

\begin{align}(x-1)^2=\frac{q}{p}=2t\cdot \frac{1-t}{2t}=1-t\end{align}

\(0<t<1\) より, \(1-t>0\) であるから,

\begin{align}x-1=\pm\sqrt{1-t}\Leftrightarrow x=1\pm\sqrt{1-t}\end{align}

\begin{align}\alpha =1-\sqrt{1-t},~~\beta =1+\sqrt{1-t}\end{align}

とおく. このとき

\begin{align}S=\int_{\alpha}^{\beta}\left\{-p(x-1)^2+q\right\}dx\end{align}

\begin{align}=p\int_{\alpha}^{\beta}-(x-\alpha)(x-\beta)dx=\frac{p}{6}(\beta -\alpha)^3\end{align}

\begin{align}=\frac{t}{3(1-t)}(2\sqrt{1-t})^3=\frac{8}{3}t\sqrt{1-t}.\end{align}

(3) の解答〜微分して最大値を求める〜

\begin{align}S^{\prime}=\frac{8}{3}\left(\sqrt{1-t}+t\cdot \frac{-1}{2\sqrt{1-t}}\right)\end{align}

\begin{align}=\frac{8}{3}\cdot \frac{2(1-t)-t}{2\sqrt{1-t}}=\frac{4(2-3t)}{3\sqrt{1-t}}\end{align}

\(S^{\prime}=0\) のとき, \(\displaystyle t=\frac{2}{3}\) であるから増減表は以下のようになる.

\begin{array}{c|c|c|c|c|c}t & 0 & \cdots & \displaystyle \frac{2}{3} & \cdots & 1 \\ \hline S^{\prime} & {} & + & 0 & – & {} \\ \hline S & {} & \nearrow & \displaystyle \frac{16\sqrt{3}}{27} & \searrow & {} \\ \end{array}

増減表より, \(\displaystyle t=\frac{2}{3}\) のとき, 最大値 \(\displaystyle \frac{16\sqrt{3}}{27}\) をとる.

geogebraによるデモ

今回の問題をgeogebraで作成してみました. スライダーを動かすことで, \(S\) の動きと面積の値が分かるようになっています. 確かに \(\displaystyle \frac{2}{3}\fallingdotseq 0.67\) で面積が最大値 \(\displaystyle \frac{16\sqrt{3}}{27}\fallingdotseq 1.03\) を取っていることが確認できます.

※左下に再生ボタンがあります. 押すとスライダーが 0.01 刻みで動きます. スライダーの変数は \(a\) になっていますが, 問題の \(t\) に対応しています.

コメント

タイトルとURLをコピーしました