公立諏訪 前期 2020年第4問

公立諏訪【前期】
スポンサーリンク

問題文全文

関数 \(f(x)=(1-\sin x)\cos x\) について\(,\) 以下の問いに答えなさい.

(1) 導関数 \(f^{\prime}(x)\) を求めなさい.

(2) 第 2 次導関数 \(f^{\prime\prime}(x)\) を求めなさい.

(3) 関数 \(f(x)~(0\leqq x\leqq 2\pi)\) の極値を求めなさい.

(4) 関数 \(f(x)\) の最大値\(,\) 最小値を求めなさい.

(1) の解答

quandle
quandle

(1) も (2) も以下の積の微分公式を使いましょう.

\begin{align}\{f(x)g(x)\}^{\prime}=f^{\prime}(x)g(x)+f(x)g^{\prime}(x)\end{align}

\begin{align}f^{\prime}(x)=-\cos x\cdot \cos x+(1-\sin x)(-\sin x)\end{align}

\begin{align}=-\cos^2x-\sin x+\sin^2x=-(1-\sin^2x)-\sin x+\sin^2x\end{align}

\begin{align}=2\sin^2x-\sin x-1=(\sin x-1)(2\sin x+1).\end{align}

(2) の解答

\begin{align}f^{\prime\prime}(x)=\cos x(2\sin x+1)+(\sin x-1)\cdot 2\cos x\end{align}

\begin{align}=2\sin x\cos x+\cos x+2\sin x\cos x-2\cos x=4\sin x\cos x-\cos x\end{align}

\begin{align}=\cos x(4\sin x-1).\end{align}

(3) の解答

quandle
quandle

(2) でせっかく \(f^{\prime\prime}(x)\) を求めましたが\(,\) (3) の極値を求めるのにも (4) の最大値・最小値を求めるのにも不要です. 増減表に無駄に \(f^{\prime\prime}(x)\) の欄を作って時間のロスをしないようにしましょう.

\(f^{\prime}(x)\)=0\) のとき\(,\) \(\displaystyle \sin x=1,~-\frac{1}{2}\) より\(,\)

\begin{align}x=\frac{\pi}{2},~\frac{7}{6}\pi,~\frac{11}{6}\pi\end{align}

\(\sin x\leqq 0\) より\(,\) \(f^{\prime}(x)\) の符号は \(2\sin x+1\) と異符号になることに注意すると\(,\) 増減表は以下のようになる.

\begin{align}\begin{array}{c|c|c|c|c|c|c|c}x & 0 & \cdots & \frac{\pi}{2} & \cdots & \frac{7}{6}\pi & \cdots & \frac{11}{6}\pi & \cdots & 2\pi \\ \hline f^{\prime}(x) & {} & – & 0 & – & 0 & + & 0 & – & {} \\ \hline f(x) & 1 & \searrow & 0 & \searrow & -\frac{3\sqrt{3}}{4} & \nearrow & \frac{3\sqrt{3}}{4} & \searrow & 1 \\ \end{array} \end{align}

増減表より\(,\) \(\displaystyle x=\frac{7}{6}\pi\) のとき

極小値 

\begin{align} f\left(\frac{7}{6}\pi\right)=\left\{1-\left(-\frac{1}{2}\right)\right\}\cdot \left(-\frac{\sqrt{3}}{2}\right)=-\frac{3\sqrt{3}}{4}\end{align}

\(\displaystyle x=\frac{11}{6}\pi\) のとき

極大値 

\begin{align} f\left(\frac{11}{6}\pi\right)=\left\{1-\left(-\frac{1}{2}\right)\right\}\cdot \frac{\sqrt{3}}{2}=\frac{3\sqrt{3}}{4}.\end{align}

(4) の着眼点

(3) は範囲が限定されていましたが\(,\) (4) は範囲の指定がありません. つまり一般角で考えることになります.

\(\sin x\) と \(\cos x\) はともに周期 \(2\pi\) の周期関数です. このことから \(f(x)\) も周期 \(2\pi\) であることが予想できます.

周期 \(2\pi\) であることを示すには\(,\)

\begin{align}f(x+2\pi)=f(x)\end{align}

であることを確認すればOKです.

(4) の解答

\begin{align}f(x+2\pi)=\{1-\sin (x+2\pi)\}\cos (x+2\pi)\end{align}

\begin{align}=(1-\sin x)\cos x=f(x)\end{align}

より\(,\) \(f(x)\) は周期 \(2\pi\) なので\(,\) (3) の増減表が \(2\pi\) ごとに繰り返し現れる.

よって\(,\) 整数 \(n\) に対して\(,\)

\(\displaystyle x=\frac{7}{6}\pi+2n\pi\) のとき 最小値 \(\displaystyle -\frac{3\sqrt{3}}{4}\)

\(\displaystyle x=\frac{11}{6}\pi+2n\pi\) のとき 最大値 \(\displaystyle \frac{3\sqrt{3}}{4}.\)

(おまけ)凸性まで考慮したグラフ

(2) でせっかく \(f^{\prime\prime}(x)\) を求めているので\(,\) 凸性まで調べてみようと思います.

\(f^{\prime\prime}(x)=0\) のとき\(,\) \(\cos x=0\) または \(\displaystyle \sin x=\frac{1}{4}\)

つまり

\begin{align} x=\alpha,~\frac{\pi}{2},~\pi -\alpha,~\frac{3}{2}\pi\end{align}

ただし \(\alpha\) は

\begin{align}\sin \alpha =\frac{1}{4}\end{align}

を満たす角とする. \(\displaystyle \left(0<\alpha <\frac{\pi}{2}\right)\)

このとき増減表は以下のようになる. (長いので横スクロールしてください)

\begin{align}\begin{array}{c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c}x & 0 & \cdots & \alpha & \cdots & \frac{\pi}{2} & \cdots & \pi -\alpha & \cdots & \frac{7}{6}\pi & \cdots & \frac{3}{2}\pi & \cdots & \frac{11}{6}\pi & \cdots & 2\pi \\ \hline f^{\prime}(x) & {} & – & – & – & 0 & – & – & – & 0 & + & + & + & 0 & – & {} \\ \hline f^{\prime\prime}(x) & {} & – & 0 & + & 0 & – & 0 & + & + & + & 0 & – & – & – & {} \\ \hline f(x) & 1 & \searrow \cap & \frac{3\sqrt{15}}{16} & \searrow \cup & 0 & \searrow \cap & -\frac{3\sqrt{15}}{16} & \searrow \cup & -\frac{3\sqrt{3}}{4} & \nearrow \cup & 0 & \nearrow \cap & \frac{3\sqrt{3}}{4} & \searrow \cap & 1 \\ \end{array}\end{align}

よって\(,\) グラフは以下のようになる.

コメント

タイトルとURLをコピーしました