問題文全文
\(x\) の範囲を \(\displaystyle -\frac{\pi}{2}\leqq x\leqq \frac{\pi}{2}\) としたとき\(,\) 曲線 \(C_1~:~y=\cos^2x,\) 曲線 \(C_2~:~y=3\sin^2x\) について\(,\) 以下の問いに答えなさい.
(1) \(C_1\) と \(x\) 軸とで囲まれた部分の面積を求めなさい.
(2) \(C_1,~C_2\) の共有点の座標を求めなさい.
(3) \(C_1\) と \(C_2\) とで囲まれた部分の面積を求めなさい.
(1) の着眼点
\(y=\cos^2x\) のグラフはかけますか? 面積を求める問題では必ずしも正確なグラフをかく必要はありません. \(x\) 軸と囲まれる部分が \(x\) 軸よりも上にあるのか下にあるのかさえ判断できればいいのです.
\(y\) は 2 乗の形をしていますから当然常に \(y\geqq 0\) です. これで常に \(x\) 軸より上にあるということが即座に判断できました.
\(x\) 軸との交点は当然 \(\displaystyle x=\pm \frac{\pi}{2}\) のときです.
(1) の解答
求める面積を \(S_1\) とすると
\(y=\cos^2x\) は偶関数です. \(y=f(x)\) が偶関数のとき
でしたね.
参考までに \(C_1\) の概形は下図のようになります.
(2) の解答
\(\displaystyle -\frac{\pi}{2}\leqq x\leqq \frac{\pi}{2}\) より\(,\)
よって\(,\) 共有点の座標は\(,\)
(3) の着眼点
① \(y=\cos^2x\) と \(y=3\sin^2x\) は共に偶関数です. つまり \(y\) 軸対称です. \(\displaystyle 0\leqq x\leqq \frac{\pi}{2}\) の範囲でグラフを描いてそれを \(y\) 軸に関して折り返したものになります.
当然面積も \(\displaystyle 0\leqq x\leqq \frac{\pi}{2}\) の範囲で計算してそれを 2 倍すればいいことになります.
あとは \(y=\cos^2x\) と \(y=3\sin^2x\) のグラフの上下関係さえわかれば積分で面積を求めることができます.
② \(y=\cos x\) は \(\displaystyle 0\leqq x\leqq \frac{\pi}{2}\) において単調減少な関数なので, それを 2 乗した \(y=\cos^2x\) も単調減少な関数になります. 同様に \(y=3\sin^2x\) は \(\displaystyle 0\leqq x\leqq \frac{\pi}{2}\) において単調増加な関数です.
そして, (2) により, \(y=\cos^2x\) と \(y=3\sin^2x\) のグラフは \(\displaystyle x=\frac{\pi}{6}\) で共有点を持つので\(,\) ここを境に上下が入れ替わることになります.
(3) の解答
上の図はかなり正確なものですが\(,\) 問題を解くだけなら正確なグラフは必要ないです. 着眼点で述べたように, \(\displaystyle x=\frac{\pi}{6}\) で共有点を持ち\(,\) 単調なグラフがかけていればそれで十分です.
仮に凸性を逆にかいてしまったとしても\(,\) 面積計算には何も影響しません.
求める面積を \(S_2\) とすると\(,\)
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