理学部第二部(数学科専用問題)2021年第2問

理【二部】(数学科専用)
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3 月 4 日に理学部第二部の入試が行われました. その中でも今回は数学科専用問題を取り上げました.

微積分以外の問題についても解答速報をtwitterにアップしていますので\(,\) よろしければ御覧ください.

問題文全文

(1) 次の極限を求めよ.

\begin{align}\lim_{x\to 0}\frac{\tan x}{x}=\fbox{$\hskip0.8emコ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$},~~\lim_{x\to 0}\frac{1-\cos x}{x}=\fbox{$\hskip0.8emサ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}\end{align}

(2) 関数 \(y=\tan x\) の第 \(n\) 次導関数を \(y^{(n)}\) とおく. このとき\(,\)

\begin{array}{ccc}y^{(1)} & = & \fbox{$\hskip0.8emシ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}+\fbox{$\hskip0.8emス\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}~y^2~, \\ y^{(2)} & = & \fbox{$\hskip0.8emセ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}~y+\fbox{$\hskip0.8emソ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}~y^3~, \\ y^{(3)} & = & \fbox{$\hskip0.8emタ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}+\fbox{$\hskip0.8emチ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}~y^2+\fbox{$\hskip0.8emツ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}~y^4\end{array}

である. 同様に\(,\) 各 \(y^{(n)}\) を \(y\) に着目して多項式とみなしたとき\(,\) 最も次数の高い項の係数を \(a_n\)\(,\) 定数項を \(b_n\) とおく. すると\(,\)

\begin{array}{ccc}a_5 & = & \fbox{$\hskip0.8emテトナ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}~,~a_7=\fbox{$\hskip0.8emニヌネノ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}~, \\ b_6 & = & \fbox{$\hskip0.8emハ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}~,~b_7=\fbox{$\hskip0.8emヒフへ\hskip0.8em\Rule{0pt}{0.8em}{0.4em}$}\end{array}

である.

(1) の解答

\begin{align}\lim_{x\to 0}\frac{\tan x}{x}=\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}\cdot \frac{1}{\cos x}=1.\end{align}

\begin{align}\lim_{x\to 0}\frac{1-\cos x}{x}=\lim_{x\to 0}\frac{\sin^2 x}{x(1+\cos x)}\end{align}

\begin{align}\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}\cdot \frac{\sin x}{1+\cos x}=1\cdot \frac{0}{1+1}=0.\end{align}

quandle
quandle

「三角関数」+「極限」と来たら

\begin{align}\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}=1\end{align}

が利用できないか考えましょう.

コ:1 サ:0

陰関数の微分について

(2) では陰関数の微分を用いて計算していきます. \(y=f(x)\) の形を陽関数というのに対し\(,\) \(f(x,~y)=0\) の形を陰関数といいます.

陰関数の場合\(,\) \(y\) や \(y^2\) など一見 \(y\) だけで書かれているものも \(x\) の関数になっていることに注意する必要があります.

例えば\(,\) \(xy=1\) は \(\displaystyle y=\frac{1}{x}\) と変形することで\(,\) \(y\) が \(x\) の関数であることがわかります.

つまり合成関数の微分をする必要があります. 例えば \(y^2\) を微分したければ

\begin{align}\frac{d}{dx}y^2=2y\cdot \frac{dy}{dx}\end{align}

と計算しなければなりません.

(2) の解答

\begin{align}y^{(1)}=\frac{1}{\cos^2x}=1+\tan^2x=1+y^2.\end{align}

\begin{align}y^{(2)}=2y\cdot y^{(1)}=2y(1+y^2)=2y+2y^3.\end{align}

\begin{align}y^{(3)}=(2+6y^2)(1+y^2)=2+8y^2+6y^4.\end{align}

\begin{align}y^{(4)}=(16y+24y^3)(1+y^2)=16y+40y^3+24y^5\end{align}

\begin{align}y^{(5)}=(16+120y^2+120y^4)(1+y^2)=16+136y^2+240y^4+120y^6\end{align}

よって\(,\) \(a_5=120.\)

\begin{align}y^{(6)}=(272y+960y^3+720y^5)(1+y^2)=0+272y+\cdots +720y^7\end{align}

よって\(,\) \(b_6=0.\)

quandle
quandle

欲しいのは最高次の係数と定数項だけですから\(,\) 間は \(\cdots\) で省略してしまったほうが計算が少なく済みます.

\begin{align}y^{(7)}=(272+\cdots 5040y^6)(1+y^2)=272+\cdots 5040y^8\end{align}

したがって\(,\) \(a_7=5040,~b_7=272.\)

シ:1 ス:1 セ:2 ソ:2 タ:2 チ:8 ツ:6 テ:1 ト:2 
ナ:0 ニ:5 ヌ:0 ネ:4 ノ:0 ハ:0 ヒ:2 フ:7 へ:2

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