工学部(建築・電気工)2016年第2問(1)

工学部
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問題文全文

実数 \(x\) の関数

\begin{align}f(x)=ax^3+bx^2+cx+d~(a,~b,~c,~d~は実数の定数)\end{align}

は以下の条件をすべて満たす.

● 曲線 \(y=f(x)\) 上の点 \((0,~f(0))\) における接線の方程式は \(y=12x-4\) である

● 関数 \(f(x)\) は \(x=2\) で極値 \(0\) をとる

このとき\(,\) \(a,~b,~c,~d\) の値を求めなさい.

着眼点

未知数が \(4\) つあります. つまり\(,\) \(a,~b,~c,~d\) に関する式を \(4\) つ立てることになります.

その \(4\) つはすぐに見当がつきます.

①② 点 \((0,~f(0))\) における接線の方程式は \(y=12x-4\)

⇨ 接線の方程式を文字で表して\(,\) \(1\) 次の係数と定数項をそれぞれ係数比較

③ \(f(x)\) は \(x=2\) で極値をとる ⇨ \(f^{\prime}(2)=0\)

④ \(f(x)\) は \(x=2\) のとき \(0\) となる ⇨ \(f(2)=0\)

これで \(4\) 本揃うので連立方程式を解けばOKです.

ただし\(,\) これで終わってはいけません. なぜなら ③の条件が必要十分ではないからです.

一般に

\begin{align} 関数~f(x)~が x=\alpha ~で極値をもつ ⇒ f^{\prime}(\alpha )=0\end{align}

は成り立ちますが\(,\) その逆が成り立つとは限らないからです.

①②③④の連立方程式を解いて出てきた \(a,~b,~c,~d\) の値のときに本当に \(x=2\) で極値を取るかどうかが定かではないため\(,\) きちんと確かめる必要があります.

解答

\begin{align}f^{\prime}(x)=3ax^2+2bx+c\end{align}

より\(,\)

\begin{align}f^{\prime}(0)=c\end{align}

点 \((0,~f(0)=d\) における接線は

\begin{align}y=cx+d\end{align}

これが \(y=12x-4\) と一致するので

\begin{align}c=12,~d=-4\end{align}

\(f(2)=0\) より

\begin{align}8a+4b+2c+d=0\end{align}

\begin{align}2a+b+5=0~~~~\cdots ①\end{align}

\(f^{\prime}(2)=0\) より

\begin{align}12a+4b+c=0\end{align}

\begin{align}3a+b+3=0~~~~\cdots ②\end{align}

①\(,\) ②を解いて

\begin{align}a=2,~b=-9\end{align}

以上より\(,\)

\begin{align}a=2,~b=-9,~c=12,~d=-4\end{align}

quandle
quandle

着眼点で述べたようにここで終わってはいけません.

実際に増減表をかいて

「確かに \(x=2\) のときに極値をとっている」

ということをアピールする必要があります.

このとき\(,\)

\begin{align}f(x)=2x^3-9x^2+12x-4\end{align}

\begin{align}f^{\prime}(x)=6x^2-18x+12=6(x-1)(x-2)\end{align}

増減表は以下のようになる.

\begin{align}\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|}\hline x & \cdots & 1 & \cdots & 2 & \cdots \\ \hline f^{\prime}(x) & + & 0 & – & 0 & + \\ \hline f(x) & \nearrow & 1 & \searrow & 0 & \nearrow \\ \hline\end{array}\end{align}

増減表より\(,\) \(x=2\) で極小値 \(0\) をとるので題意を満たす .

\begin{align}a=2,~b=-9,~c=12,~d=-4~~~~\cdots \fbox{答}\end{align}

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