問題文全文
f(x)=e−xsinx として, 曲線 K : y=f(x) と x 軸の x≧0 の部分との共有点の x 座標を小さい方から順に p0, p1, p2, ⋯, pn,⋯ とおき, 曲線 K と x 軸の pn−1≦x≦pn の部分で囲まれる図形の面積を Sn (n≧1) とおくとき, 以下の問いに答えなさい.
(1) pn を求めなさい.
(2) 0≦x≦2π の範囲で関数 f(x) の極値と曲線 K の変曲点を求めなさい.
(3) S1 を求めなさい.
(4) Sn を S1 を用いて表しなさい.
(5) ∞∑n=1Sn を求めなさい.
(1) の解答
e−xsinx=0
e−x>0 より,
sinx=0
x=nπ (n≧0)
pn=nπ (n≧0) ⋯答
(2) の解答
f′(x)=−e−xsinx+e−xcosx
=e−xsin(x+34π)
0≦x≦2π より,
34π≦x+34π≦114π
であるから, f′(x)=0 のとき,
x+34π=π, 2π
x=π4, 54π
f′′(x)=−e−xsin(x+34π)+e−xcos(x+34π)
=e−xsin(x+32π)
0≦x≦2π より,
32π≦x+32π≦72π
なので, f′′(x)=0 のとき,
x+32π=2π, 3π
x=π2, 32π
よって, 増減表は以下のようになる.
x0⋯π4⋯π2⋯54π⋯32π⋯2πf′(x)+0–––0+++f′′(x)–––0+++0–f(x)0↗∩1√2eπ4↘∩e−π2↘∪1√2e54π↗∪−e−32π↗∩0
増減表より,
x=π4 のとき 極大値 1√2eπ4 ⋯答
x=54π のとき 極小値 −1√2e54π ⋯答
変曲点 (π2, e−π2), (32π, −e−32π) ⋯答
(3) の解答
(1) で求めた x 切片と (2) の増減表から, y=f(x) のグラフは下図のようになる.

S1=∫π0e−xsinxdx
=[e−x(−cosx)]π0−∫π0−e−x(−cosx)dx
=e−π+1−∫π0e−xcosxdx
=e−π+1−([e−xsinx]π0−∫π0−e−xsinxdx)
=e−π+1−S1
2S1=e−π+1
S1=e−π+12 ⋯答
(4) の着眼点
「Sn を S1 で表せ.」
と言われています.
Sn の定義域は (n−1)π≦x≦nπ です. これを S1 で表すということは, その定義域が 0≦x≦π となってくれればいいのではないかと考えます.
経験がないとなかなか思いつかないかもしれませんが,
t=x−(n−1)π
とおくことでうまく定義域を変更できます.
(4) の解答
Sn=|∫nπ(n−1)πe−xsinxdx|
t=x−(n−1)π とおくと, dt=dx であり,
x(n−1)π→nπt0→π
であるから,
Sn=|∫π0e−{t+(n−1)π}sin{t+(n−1)π}dt|
=|e−(n−1)π∫π0e−t⋅(−1)n−1sintdt|
=|e−(n−1)π||(−1)n−1||∫π0e−tsintdt|
e−(n−1)π>0, |(−1)n−1|=1, S1>0 より,
Sn=e−(n−1)πS1 ⋯答
(5) の解答
初項 S1, 公比 e−π の無限等比級数の和であるから,
∞∑n=1Sn=11−e−πS1
=eπeπ−1⋅e−π+12=1+eπ2(eπ−1) ⋯答

quandle
初項 a, 公比 r (|r|<1) の無限等比級数の和は
a1−r
でしたね.
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