東京理科大学工学部(建築・電気工)2001年第2問(1)(2)

工(建築・電気工)
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工学部(建築・電気工)2001年第2問(1)(2)の問題文全文

次の問いに答えなさい.

(1) \(t=\tan{x}\) と置換して\(,\) 次の定積分の値を求めなさい.

\begin{align}\int_0^{\frac{\pi}{4}}\frac{e^{\tan{x}}}{\cos^4{x}}dx\end{align}

(2) \(0<x<1\) で定義された次の関数 \(f(x)\) の導関数を求めなさい.

\begin{align}f(x)=\sqrt{\frac{1-\sqrt{x}}{1+\sqrt{x}}}\end{align}

(1) の着眼点〜 \(\tan{x}\) と \(\displaystyle \frac{1}{\cos^2{x}}\) はセットで意識する〜

\(\tan{x}\) で置換積分する場合は\(,\) \(\displaystyle \frac{1}{\cos^2{x}}\) が近くにないかを探すようにしましょう. なぜなら

\begin{align}(\tan{x})^{\prime}=\frac{1}{\cos^2{x}}\end{align}

が成り立つので微分接触系に持ち込めるからです.

微分接触系の積分とは

\begin{align}\int f(g(x))g^{\prime}(x)dx=F(g(x))+C\end{align}

の形をした積分で\(,\) 置換積分をわざわざしなくても積分できる形を指します.

ただ、今回は \(\displaystyle \frac{1}{\cos^2{x}}\) ではなく\(,\) \(\displaystyle \frac{1}{\cos^4{x}}\) ですから\(,\) \(\displaystyle \frac{1}{\cos^2{x}}\) が \(1\) つ分余ってしまいます.

\(\tan{x}\) と \(\displaystyle \frac{1}{\cos^2{x}}\) の間にはもう \(1\) つ関係式が成り立つのでした.

三角関数の相互関係

\begin{align}1+\tan^2{x}=\frac{1}{\cos^2{x}}\end{align}

三角関数の相互関係を用いることでもう \(1\) つの \(\displaystyle \frac{1}{\cos^2{x}}\) も \(t\) で表すことができそうです.

(1) の解答〜瞬間部分積分で計算時間の短縮を〜

\begin{align}I=\int_0^{\frac{\pi}{4}}\frac{e^{\tan{x}}}{\cos^4{x}}dx\end{align}

\begin{align}=\int_0^{\frac{\pi}{4}}\frac{1}{\cos^2{x}}\cdot e^{\tan{x}}\cdot \frac{1}{\cos^2{x}}dx\end{align}

\begin{align}=\int_0^{\frac{\pi}{4}}(1+\tan^2{x})e^{\tan{x}}\cdot \frac{1}{\cos^2{x}}dx\end{align}

\(t=\tan{x}\) とおくと\(,\) \(\displaystyle dx=\frac{1}{\cos^2{x}}\) であり\(,\)

\begin{align}\begin{array}{|c|c|c|c|}\hline x & 0 & \to & \displaystyle \frac{\pi}{4}\\ \hline t & 0 & \to & 1 \\ \hline \end{array}\end{align}

であるから\(,\)

\begin{align}I=\int_0^1(1+t^2)e^tdt\end{align}

\begin{align}=\biggl[(t^2-2t+3)e^t\biggr]_0^1=2e-3~~~~\cdots \fbox{答}\end{align}

quandle
quandle

\(f(x)\) が多項式とするとき\(,\)

\begin{align}\int f(x)e^xdx=(f-f^{\prime}+f^{\prime \prime}-\cdots )e^x+C\end{align}

となります. 多項式部分は \(0\) になるまでどんどん微分していって\(,\) 符号を\(+-+-\cdots \) としていくと原始関数を得ることができます. 今回でいうと

\begin{align}(1+t^2)-(2t)+2=t^2-2t+3\end{align}

となります.

(2) の着眼点〜対数微分法の利用〜

べき乗・累乗根・積・階乗・商

がたくさん含まれている関数を微分したいときは\(,\) 対数微分法を検討しましょう.

対数をとることで\(,\)

べき乗と累乗根→定数倍    積と階乗→足し算    商→引き算

にそれぞれ変形されるため非常に計算が楽になります.

両辺に(底を \(e\) とする)対数をとってから微分することを 対数微分法 といいます.

左辺の \(\log{f(x)}\) は \(\log{x}\) と \(f(x)\) の合成関数になるので\(,\) 合成関数の部分をやることにより\(,\) \(\displaystyle \frac{f^{\prime}(x)}{f(x)}\) となることに注意が必要です.

今回は式全体にルートがついている(累乗根)こと\(,\) ルートの中身が商の形になっていることから対数微分法との相性がよさそうと考えましょう.

(2) の解答〜最後に \(f(x)\) 倍を忘れない〜

\begin{align}f(x)=\sqrt{\frac{1-\sqrt{x}}{1+\sqrt{x}}}\end{align}

\begin{align}\log{f(x)}=\frac{1}{2}\{\log{(1-\sqrt{x})}-\log{(1+\sqrt{x})}\}\end{align}

\begin{align}\frac{f^{\prime}(x)}{f(x)}=\frac{1}{2}\left\{\frac{1}{1-\sqrt{x}}\left(-\frac{1}{2\sqrt{x}}\right)-\frac{1}{1+\sqrt{x}}\cdot \frac{1}{2\sqrt{x}}\right\}\end{align}

\begin{align}=-\frac{1}{4}\left\{\frac{1}{\sqrt{x}(1-\sqrt{x})}+\frac{1}{\sqrt{x}(1+\sqrt{x})}\right\}\end{align}

\begin{align}=-\frac{1}{4}\cdot \frac{1+\sqrt{x}+1-\sqrt{x}}{\sqrt{x}(1-x)}=\frac{1}{2\sqrt{x}(x-1)}\end{align}

両辺 \(f(x)\) 倍して\(,\)

\begin{align}f^{\prime}(x)=\frac{1}{2\sqrt{x}(x-1)}\sqrt{\frac{1-\sqrt{x}}{1+\sqrt{x}}}~~~~\cdots \fbox{答}\end{align}

(2) の別解〜素直に微分してみる〜

\begin{align}f^{\prime}(x)=\cfrac{1}{2\sqrt{\cfrac{1-\sqrt{x}}{1+\sqrt{x}}}}\left(\frac{1-\sqrt{x}}{1+\sqrt{x}}\right)^{\prime}\end{align}

\begin{align}=\frac{\sqrt{1+\sqrt{x}}}{2\sqrt{1-\sqrt{x}}}\cdot \cfrac{-\cfrac{1}{2\sqrt{x}}(1+\sqrt{x})-(1-\sqrt{x})\cdot \cfrac{1}{2\sqrt{x}}}{(1+\sqrt{x})^2}\end{align}

\begin{align}=\frac{-1-\sqrt{x}-1+\sqrt{x}}{4\sqrt{x}\sqrt{1-\sqrt{x}}\sqrt{1+\sqrt{x}}(1+\sqrt{x})}\end{align}

\begin{align}=\frac{-1}{2\sqrt{x}\sqrt{1-\sqrt{x}}\sqrt{1+\sqrt{x}}(1+\sqrt{x})}\end{align}

分子分母に \(\sqrt{1-\sqrt{x}}\) をかけて\(,\)

\begin{align}=\frac{-\sqrt{1-\sqrt{x}}}{2\sqrt{x}(1-\sqrt{x})(1+\sqrt{x})\sqrt{1+\sqrt{x}}}\end{align}

\begin{align}=\frac{1}{2\sqrt{x}(x-1)}\sqrt{\frac{1-\sqrt{x}}{1+\sqrt{x}}}~~~~\cdots \fbox{答}\end{align}

quandle
quandle

確かに同じ答えになりましたが\(,\) 対数微分法のほうがはるかに計算が楽でした.

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