東京理科大学理学部(応数・応物・応化)2022年第1問(1)の問題文全文
座標空間内に \(4\) 点 \(\mathrm{A}(1,~0,~1)\)\(,\) \(\mathrm{B}(-1,~0,~1)\)\(,\) \(\mathrm{C}(0,~1,~-1)\)\(,\) \(\mathrm{D}(0,~-1,~-1)\) をとる. 点 \(\mathrm{P}\) が線分 \(\mathrm{AB}\) 上を動き\(,\) 点 \(\mathrm{Q}\) が線分 \(\mathrm{CD}\) 上を動くとき\(,\) 線分 \(\mathrm{PQ}\) 上の点が通過し得る領域を \(S\) とする. このとき以下が成り立つ.
(a) \(S\) の体積は \(\displaystyle \frac{~\fbox{$\hskip0.4emア\hskip0.4em\Rule{0pt}{0.4em}{0.4em}$}~}{~\fbox{$\hskip0.4emイ\hskip0.4em\Rule{0pt}{0.4em}{0.4em}$}~}\) である.
(b) \(z\) 軸の周りに \(S\) を \(1\) 回転させてできる立体の体積は \(\displaystyle \frac{~\fbox{$\hskip0.4emウ\hskip0.4em\Rule{0pt}{0.4em}{0.4em}$}~}{~\fbox{$\hskip0.4emエ\hskip0.4em\Rule{0pt}{0.4em}{0.4em}$}~}~\pi\) である.
(a) の解答〜線分 \(\mathrm{AB}\) が \(yz\) 平面と垂直であることに気付けるか〜
立体 \(S\) は四面体 \(\mathrm{ABCD}\) となる. (理由は後述します)
\(\mathrm{A}(1,~0,~1),~\mathrm{B}(-1,~0,~1)\) は \(y\) 座標と \(z\) 座標が一致しているので\(,\) 線分 \(\mathrm{AB}\) と \(yz\) 平面は垂直である. (今回は特に \(x\) 座標が異符号なので\(,\) \(yz\) 平面と対称な点であることもわかります.)
ピンと来ない人はベクトルで考えるとわかりやすいです. \(\overrightarrow{\mathrm{AB}}=(-2,~0,~0)\) で\(,\) \(yz\) 平面上の任意のベクトルは \((0,~y,~z)\) とかけるので\(,\)
となり確かに \(\overrightarrow{\mathrm{AB}}\perp yz 平面\) となっていることが分かりますね.
線分 \(\mathrm{AB}\) 上の点で\(,\) \(yz\) 平面上にもある点を \(\mathrm{M}\) とおくと\(,\) \(\mathrm{M}(0,~0,~1)\) であるから\(,\) 三角形 \(\mathrm{MCD}\) は \(yz\) 平面上にあり\(,\) 特に \(\mathrm{MC}=\mathrm{MD}\) の二等辺三角形である. 線分 \(\mathrm{CD}\) の中点を \(\mathrm{N}(0,~0,~-1)\) とおく.
以上より\(,\) \(S\) の体積を \(V\) とおくと\(,\)
ア:4 イ:3
\(S\) の形を把握する〜動いているものが複数あるときは1つずつ動かす〜
\(\mathrm{P}\) を固定して \(\mathrm{Q}\) だけ動かす
点 \(\mathrm{P}\) と点 \(\mathrm{Q}\) が同時に動いています. こういうときは \(1\) つ固定すると考えやすくなります. 点 \(\mathrm{P}\) を固定して点 \(\mathrm{Q}\) だけを動かすと \(\triangle \mathrm{PDC}\) ができます. 下図のようなイメージになります.
点 \(\mathrm{P}\) を動かして \(\triangle \mathrm{PDC}\) の通過領域を考える
次に点 \(\mathrm{p}\) を動かして \(\triangle \mathrm{PDC}\) の通過領域を考えることで \(S\) がどんな形になるかを考えることができます. できあがった \(S\) は四面体 \(\mathrm{ABCD}\) となります. 下図のようなイメージになります.
(b) の解答〜 \(S\) を \(z=t\) で切って回転させる〜
\(S\) を \(z=t\) で切る〜各線分を内分した点を結ぶ〜
\(S\) を \(z=t\) で切ったときにできる切断面の図形は\(,\) 線分 \(\mathrm{AC}\)\(,\) 線分 \(\mathrm{AD}\)\(,\) 線分 \(\mathrm{BC}\)\(,\) 線分 \(\mathrm{BD}\) をそれぞれ \((1-t)~:~(1+t)\) に内分した点を結んでできる図形で長方形である. この長方形を\(T_t\) とおく.
※\(-1 \leqq t \leqq 1\) における \(z=t\) による切断面
※\(z\) 軸の真上から見た切断面の様子(長方形になる)
切断面 \(T_t\) を \(z\) 軸に関して回転させる
\(T_t\) を \(z\) 軸に関して回転させた図形は \((0,~0,~t)\) と \(\displaystyle \left(\frac{1+t}{2},~\frac{1-t}{2}\right)\) を結ぶ線分を \(1\) 回転させたときにできる円になる. この円の面積は
※\(T_t\) を \(z\) 軸回転させたときにできる円
積分して体積を求める
求める図形の体積は
ウ:4 エ:3
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